みや子のプロフィール③

みや子は超超超潔癖症である

いつも消毒液を撒いていたため家のドアを開けると鼻にツンとくるくらい消毒液の臭いがした

しかし掃除や消毒する所は

自分が使う物や通る道だけ

下駄箱の上や通らない所は埃がつもり、壁は湿気でカビが生えて黒くなっていた

 

一階に住んでいるみや子の部屋は24時間カーテンを閉め切りにしている

それはみや子が夜型人間だからである

なぜか電気も台所の元灯だけしかつけていない

 

余談だが

昔はる子に頼まれみや子に会いに行った時の事

ピンポンを鳴らしてもみや子が出なかった為、はる子から預かった鍵で中に入ると

キッチンの元灯しかついていない真っ暗な部屋の中で

腰が曲がっていて長髪で白髪頭のみや子が椅子に座っていた

ゆっくりとこっちを向いたみや子に私は小さく

『ひぇっ』

と声を出した

 

あの姿は誰がみても幽霊そのものである

 

中々のホラーだった

 

 

話がそれてしまった

 

みや子はテレビもなく電気もつけず毎日何をしているのかと言うと

 

亡くなった父と母に手を合わせているらしい

 

お父さん、お母さん本当にごめんね・・・

 

と、仏壇に懺悔をしているとはる子は言う

 

 

じいさんとばあさん

あの世であきれてるだろうな

 

 

 

そうしてみや子は長い年月

テレビもない本もない新聞もない暗い部屋で一人で暮らしてきた

 

 

 

 

仙人かっ!

 

 

 

またも余談だが

この時のみや子は椅子で寝ていた

 

 

 

 

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みや子のプロフィール②

祖父が亡くなってしまった後

大きな一軒家に祖母と二人きりになってしまったみや子は祖母に

 

毎日美味しいご飯を作り

あたたかいお風呂を用意し

きれいに掃除をし

あたたかい声をかけ

晴れた日には外に散歩にいき

雨の日には冷えないようあたたかいお茶を・・・・・

 

 

 

 

 

 

なんてことをするはずがなかった

みや子は祖母の事を死ぬまで虐めた

 

 

 

 

みや子は祖母を徹底的にばい菌扱いをした

祖母は汚いからとお風呂に入れてもらえず、祖母は暑い日も寒い日も45分かけて銭湯まで歩いて行った

たいしたご飯も出さず毎日祖母をヒステリック気味に怒鳴りつけた

包丁をつきつける事もあった

 

そんな祖母をかわいそうに思った他の兄妹達で祖母を助けあっていた

 

 

しかしその祖母もついに病気で亡くなってしまう

 

 

 

 

その後待っていたのは

 

 

遺産問題である

 

 

親の遺産に兄妹達は目を輝かせた

私が世話をした、俺に遺産を残すと言った等それぞれが主張

仲良く分け合うなんて事はできず長い年月をかけて遺産問題は解決した

 

 

そしてはる子とみや子は2階建てのアパートを相続した

相談しあった結果祖父母が建てた家は誰も住まない為取り壊すことになった

みや子は買い与えてもらった家には住まず、相続したアパートの一室に住むことにした

 

 

最初のうちは家から出て近所の買い物も行っていたが、生協さんを頼むようになってから家から出る事はなく、外出はゴミ捨ての時だけとなった

 

 

 

 

 

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みや子のプロフィール①

みや子79歳独身

東京浅草生まれ浅草育ち

幼少期の事ははる子から詳しくは聞いていないけど、中学時代は不良グループとつるんで帰ってこないこともあったとか

20代の頃は一度本屋で働いたこともあったけど、数ヵ月で退職

その後はずーっとニートを貫いてきた

 

そう

79歳の今の今までずーっとニートなのである

 

ニート歴は軽く50年を超えている

もしかしたら60年近くかもしれない

テレビやネットで20年30年ニートの人を見たことがはあるが、みや子ほどの記録をこえている人は見たことがない

素晴らしい!!

 

さて

長いことニートをしているみや子だが、ここでみや子の親(私の祖父母)の話をしていこうと思う

 

実は祖父母はとても大金持ちである

 

祖父母は二人で和菓子屋のお店を営んでいた

その和菓子屋は当時とても評判がよく、よくラジオでも取り上げられていてとても有名なお店だった

甘すぎない上品な和菓子は毎日飛ぶように売れて行列店になっていた

そんな祖父母には子供が5人いる

 

長男よしお

長女みさえ

次男じろう

次女みや子

三女はるこ

である

 

祖父母にはがあった

家に一人ニートがいようが余裕で養うことができた

そのおかげでみや子は毎日遊んで暮らしていた

他の子どもたちは結婚をして巣立っていったがみや子だけは家に居た

 

 

そんな祖父母も年をとり、店をたたむこととなった

こんなに子供がいたのに誰も継ぐ人がいないためだった

祖父母は億単位の貯金があった

そのお金で一軒家を買った

まだまだお金があったので子供たち全員にも土地と家を買い与えた

もちろんみや子にも土地と家を買い与えたがその家に住むことはなく、親の新しく建てた一軒家に一緒に住んだ

しかし

 

 

家を建てて数年で祖父は病で亡くなってしまう

 

 

 

 

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実は初めてのことではないのさ

重い足取りで実家へ向かうはる子と私

そして家に着いてはる子は言った

「無理やり介護の人呼んで部屋に入ってもらおうか」

いや・・・ガチで介護の人が殺されかねないからやめた方がいいよ・・・

「だって・・・もう面倒みきれないわよ・・・あの人袋にあぁやっておしっこするのも初めてじゃないのよ?」

 

え?はじめてじゃないの????((((;゚Д゚))))

 

「そうよ。あれはたしか・・・30年くらい前。あの人が40代の時に部屋から出てトイレいくのがめんどくさいって袋におしっこしてためてたのよ・・・」

 

えー・・・・・(ドン引き

 

それにしたって

男の人ならわかるけど女の人が袋におしっこってどうやってするのだろうか・・と一瞬真剣に考えるところだった自分の思考を慌ててストップさせた

 

でもおしっこを袋にためるってことは・・・

もしかしてうんぴも袋にするってこと・・・?

「知らないわよ・・・でも立てなかったらするんじゃないの?」

えー・・・地獄・・・誰がその袋とうんちを処理するの・・・

 

 

「・・・・・わたしよ」

 

 

はる子・・・あんたはえらいよ・・・

 

 

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だって食べたり飲んだりするとトイレに行きたくなっちゃうじゃない!

伯母のみや子

年齢は79歳

どうやら膝が痛くて歩けないらしい

どうしてそうなったのかと言うと

元々膝が少し痛かったのに重たい物を無理して持ち上げたら歩けないほど痛くなってしまったらしい

痛い痛いと布団に座ったらもう立てなくなってしまったとか

だからトイレに行けないと

 

「だって食べたり飲んだりするとトイレに行きたくなっちゃうじゃない!トイレに行きたくても立てないから食べたり飲んだりしたくないの!でも喉が渇くから水をちびちび飲んで喉の渇きを潤してるのよ!」

とちょっと高めの大きな声でみや子は言った

なるほど

いい考えだ

と思ったけど普通に考えたら死ぬじゃん

 

そんなみや子の周りには生協さんで注文して届いたであろうお煎餅やポテトチップス等のお菓子が散乱していた

そして食べた後のお煎餅の袋のゴミ等もゴミ袋に入れる事なく散乱している

 

私の頭にそよそよとクーラーの風が当たる

そのクーラーの風は今まで感じた事のない臭いと、喉をイガイガとさせる風だった

みや子がこの部屋に住んで5年以上は経つだろうか

一度も掃除をした事のないクーラー

これがエアコンのカビの臭いなんだなぁ

うちもクーラーの掃除しないとなぁなんてどうでもいい事を考えた

 

そして次に目に入ったのは

透明のポリ袋に入った「金色の水」だった

見つめて数秒考えた

あれは...なんだ?

 

膝が痛い→立てない→トイレに行けない→でもトイレに行きたい→行けない→袋にしよう

 

あー...なるほどなるほど

 

事態は思った以上にただならなかった

 

『みや子さん。足痛いの?ちょっと触ってもいい?腫れてはいないね...触ると痛い?ここは?押したら痛い?それとも立つ時だけ痛いのかな?』

 

なんて看護師のように優しい声をかけ、足を触っている私だがなんの資格も持っていないただのド素人だ

そんな私が下した診断は「加齢による膝の痛み」

絶対間違っていないと思う

 

そんな事より

みや子の服に目が行く

膝上くらいまでしかないグレーの横縞のワンピースは胸の辺りが真っ黒に薄汚れていた

もう何年も洗濯をしていない服だ

パンツが脱げないらしいその姿から想像してしまったことは

ワンピースの下はもしかしたら

パンツを

履いていないのかもしれない...

そう想像してしまった私は目線を右にそらした

 

私の母はる子が口を開いた

「あんたそんな事ばっかりしてると本当に死ぬわよ!!!」

 

ハッとして目線をみや子に戻す

そして私も続けて言った

「みや子さん。人は食べないと栄養失調になってしまうんだよ。1人でトイレに行けないなら介護も考えないといけないし、足が痛いなら病院にも行かないといけないよ。でもどっちも嫌なんだよね?もしこれから先1人ではどうにもならなかったら協力するから声をかけてね。布団だと大変だろうからベッドだって買って設置するよ?ベッドなら立ちやすいしいいと思うよ。もし必要なら声かけてね」

 

「うん!ありがとう!そのうちね!」

 

そのうちか....

そのうちはこないなと私の感が言っている

 

そして私は頭がパニックのまま母とみや子の部屋を後にした...

 

 

 

 

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部屋に入ったら金色の水が入ったポリ袋4つがおかれていた

ある晴れた6月の平日

『入るわよ!』

と、母はる子は入りなれた様子でずかずかと部屋にあがっていった

『あっ!あんたまた昨日置いていったパン食べてないじゃない!このまま食べないと本当に死ぬわよ!』

という声が聞こえた

これはそろそろただならない事態かもしれないと思い普段は絶対に入ることのない「みや子」の部屋に私はおそるおそる入っていった

 

『おじゃましま~す・・・・』

 

ここはマンションの一室

LDKの一人用の部屋

南向きなので日当たりは抜群

なので入った瞬間むわぁ~とする暑さとカビ臭い悪臭が鼻について、思わず鼻から息をするのをやめた

・・・けどそうするとカビを口から吸っているようで気分が悪いのでやっぱり鼻から息をすることにした

 

部屋に入って一番に目についたのはカビで真っ黒になっているキッチンのシンク

次に見たものは、リビングの床に敷かれた薄汚れた薄っぺらいラグマットと、一人用の小さいダイニングテーブルと椅子があった

部屋の隅と椅子の周りにはおよそ5年お風呂に入っていない垢と掻きむしった皮膚の皮がパラパラと落ちて白くなっていた

それを見て私は鼻と口から息をすることをやめた

 

奥の部屋に行くと煎餅のようにぺったんこで洗ったことのない茶色のシーツと、これまたぺったんこに偏った枕があり、その布団の上にみや子が長座していた

みや子は私をみて

「あらまどか!」

と声をかけた

 

そしてその近くをちらっと見てみると、透明のポリ袋に金色の水が入ったポリ袋4つが置かれていた

 

 

これから書くブログは私の伯母の生態記録である

私の野望はいつか書籍化にすること(無謀)

 

 

 

 

※注意書き※

家族にばれないよう名前や登場人物はすべて仮名です

小説家ではないので稚拙な文章となりますがあたたかく見守っていただけましたら幸いでございます

30年以上の昔の話も含まれますので記憶が曖昧な部分もあります

食い違いがある部分があってもスルーして下さい

毎日は更新できませんができるだけ長くつづけられるよう頑張ります

よろしくお願いします